comic

今までさぼってた分を更新します

T・R・ピアソン『甘美なる来世へ』 ユーモアあふれる饒舌な語り口に乗せられて、情けなくも切ないところへと連れて行かれる感じ。ベントン・リンチの「どうしてこんなふううになっちゃったんだろう」的な気持ちがそこはかとなく浮かび上がってくる。脱線に告…

BSマンガ夜話

第29弾の作品とゲスト決定。23日〜26日。NHK-BS2で夜11時から。 23日 大和和紀『はいからさんが通る』 ゲスト:わかぎゑふ 24日 猫十字社『小さなお茶会』 ゲスト:宍戸留美 25日 業田良家『自虐の詩』 ゲスト:呉智英 夢枕獏 26日 星野之宣『ブルーシティ』…

男の子と女の子

昨日眼鏡が壊れたと書いたが、眼鏡を作りに行くのも面倒なので、応急処置として瞬間接着剤で貼り付けた。が、ダメみたいで、グラグラしたままかけている。視界が不安定で、ちょっと酔ったみたい。 昨日新宿のABCに寄った。買わなかったけどコミックHは「僕ら…

鶴亀鶴亀

前回の日記で大島弓子の『つるばらつるばら』を読んだが、その後にトルーマン・カポーティの『遠い声 遠い部屋』(河野一郎訳 新潮文庫)を読んでいたら、主人公ジョエルが訪れるスカリイズ・ランディングの館に住むランドルフという男が「うへっ鶴亀、鶴亀…

くわばらくわばら、つるかめつるかめ

『つるばらつるばら』 大島弓子 白泉社文庫に入っている作品集。古本でたまたま見つけたので先日買ったのを、夜中に寝床でじっくりと読んだ。吉田秋生も萩尾望都も大好きだけれど、大島弓子の軽やかさとストーリーテリングのうまさはやはり際立っている。吉…

今年の三作品

今年印象に残ったマンガを選んでみました。 『蟲師』 漆原友紀 『G戦場ヘヴンズドア』 日本橋ヨヲコ 『こさめちゃん』 小田扉 『蟲師』はid:pee450:20031026#p2で書いたとおり。面白いです。『G戦』はIKKIの連載で読んだなかで、単行本で買ってもいいなと思…

答えは…

IKKIの2月号は、別冊付録「答えは108つ」がついている。とんだばやしの「答えは?つ」の特別版で、様々な作家*1がそれぞれ一つずつ、「ノストララモスの隠されたもう一つの予言は?」というお題に「答え」を出している。面白かったものを五つあげてみよう。…

Ciguatera

古谷実『シガテラ』は正直、判断を保留している。1巻だけで見る限り、そう判断せざるを得ない。ただ、言えるのは次の単行本も買うだろうということだ。その点で、期待をかき立てられる作品ではあると思う。 たぶん、古谷実は「普通」と「異常*1」、「日常」…

来年の前半に出る山上たつひこ『喜劇新思想大系』の完全版が今から待ち遠しい。フリースタイルhttp://webfreestyle.com/から出るのだが、上下各2500円は少々お高い。が、その額を出しても惜しくない。 それにしても、最近マンガの話題が少ないなあ(自分の中…

最近とうとう『NANA』に手を出してしまいました。これでオサレ少女の仲間入りか?と。ごめんなさい、けっこう面白かったです。これで『ハチクロ』でも読めば最強(最凶?)ですかね。あと、紡木たくとか。

IKKI 1月号 『号泣する準備はできていた』 江國香織 『オーデュボンの祈り』 伊坂幸太郎 IKKIの新連載は鬼頭莫宏「ぼくらの」。アフタヌーンで連載してた「なるたる」の作者。最近のIKKIは、アフタヌーンからひっぱってきたマンガが多い気がする。内容は子…

こんな日はマンガをひたすら読み返す。 倉多江美*1『スプリング・ボード』。ニヒルでまったりとした似非フランス気分を味わう。副題に「青春エスプリ・シリーズ」と付いているのも愛嬌。エスプリってこんなマンガのことを言うのかなあ、と思う。このマンガ読…

特に何もなく無事に過ごす。というか、おおかた寝てた。睡眠サイコー。 で、学校の帰りにまた新宿ルミネABCによってふらふらとする。マンガ売り場に女子がたむろして、立ち読みしている。何事かと見ると、矢沢あい『NANA』の新刊が出ていた。いまどきの女子…

大滝詠一『Niagara Moon』より「Cider'73」を。この曲が使われた三ツ矢サイダーのCMは生まれる前のことなので知らないのだが、どこかで聞いたことのある歌詞だなあと感じていた。今日何回か聞いていて、ピンとくる。「あなたがジンとくる時は わたしもジン…

『ユリイカ』11月号 特集:マンガはここにある 最近殊にマンガの特集が多いユリイカですが、今回は(も?)批評というよりは様々な作家の紹介という感じ。 夏目房之介の著作権に関する話が良かったが、とりあえず現時点での整理という意味合いが強い。 江口…

『蟲師』④ 漆原友紀 やっと出た。『蟲師』との出会いは、アフタヌーンに連載が始まったときにたまたま立ち読みしたことだった。ああ面白いなあと思いながら時は過ぎ、ふと本屋で単行本が出ているのを見て買ってしまったのが始まり。それから「蟲」にとりつか…

ロック、ロッカーの定義とは何か?id:obs:20031024に面白いのがあった。 昼ごろに起き出して、酒をこよなく愛し、来る日も来る日もギャンブル。楽器にはとにかく金をかける。楽器の借金に困ると女をも質に出す。そして4畳半。バンドのメンバーとは「音楽性…

『こどものおもちゃ』 小花美穂 中学の友人に会ったことが引き金かはわからないが、『こどものおもちゃ』を読み返してみた。ちょうど中学校のときに妹が『りぼん』を買っていたのでつられて読んでいた、というよくあるパターン。ついついはまってしまって、…

上に引き続き、マンガのことや本のことでも書きます。 『セクシーボイスアンドロボ』② 黒田硫黄 いまさらと言えばいまさらなのだが、買いました。うーん。普通に面白いのだが、無難という感じはいなめない。青空床屋の話はよくまとまっているし、こういう淡…

「春は長雨」ではないが*1…

どうしてこんなにふるのか さっぱりわからない どうして急に誰もいなくなったのか さっぱりわからない こんな気分です。雨は嫌いではないのだが、外に出るのがおっくうになる。 大島弓子作品の出だしにはいつも魅力がある(もちろん同じくらいに最後の場面も…

同じ月を見ている 土田世紀 友人宅で再読。宮澤賢治に影響を受けた土田世紀がヤクザの世界と賢治の思想をつなげて描いたマンガ。いかにも「泣かせる話」に作ってあるのだが、こんなに汚れっちまった俺でも涙が出そうになる。それは深刻な話に作者が気恥ずか…

『ラヴァーズ・キス』 吉田秋生 もう何度読んだのだろうか。何度読んでもこのマンガは傑作だ。『カリフォルニア物語』や『バナナフィッシュ』もいいけど、俺は吉田秋生の短編や中篇が大好きなんだなと再々確認。『ラヴァーズ・キス』は鎌倉の高校を舞台にし…

このあいだ買った本の感想でも。 『いまどきのこども』11巻 玖保キリコ 家にあった『いまどきのこども』がおもしろく、未読のものをこつこつ集めている。 半分に割った竹を叩く宗吉くん。クリコちゃんの手を離れ始めた竹蔵。 「こんなにいいものが、せんいち…

マンガのこと。