くわばらくわばら、つるかめつるかめ

『つるばらつるばら』 大島弓子
白泉社文庫に入っている作品集。古本でたまたま見つけたので先日買ったのを、夜中に寝床でじっくりと読んだ。吉田秋生萩尾望都も大好きだけれど、大島弓子の軽やかさとストーリーテリングのうまさはやはり際立っている。吉田氏や萩尾氏は長編作家*1だと思うけれど、大島氏は短編作家であり、ユーモアのある台詞がストーリの中でうまく絡み合って、キャラクターやプロットよりも、その表現においてやっぱり卓越している。辛い出来事を主人公の視点にのめりこんで、「こんなに辛いんです」と描くよりも、ちょっと離れたところから、描くというか…。といっても、けっして登場人物を突き放しているわけでもない。

*1:というか、ストーリーそのもの、キャラクターそのものに魅力があるという意味。見た目の美しい美男子や奇抜なストーリー。大掛かりなアクションやSFという要素。さらには、トラウマなど?