Ciguatera

古谷実シガテラ』は正直、判断を保留している。1巻だけで見る限り、そう判断せざるを得ない。ただ、言えるのは次の単行本も買うだろうということだ。その点で、期待をかき立てられる作品ではあると思う。
たぶん、古谷実は「普通」と「異常*1」、「日常」と「非日常」の境界線をかなり意識して書いていると思う。もちろん、この二項対立自体を疑っているとも思うが、なんというか、その微妙な具合がある意味ツボになるかもしれない。
稲中』→『僕といっしょ』→『グリーンヒル』→『ヒミズ』と読んできた自分にとっては、なんととなく、古谷実を見守るような雰囲気ができあがっているが、もし今まで一回も古谷実の作品を読んだことの無い人が、ヤンマガで『シガテラ』を読んだらどういう印象を持つのだろうか?もし、『シガテラ』の一巻だけ読んで、この先の展開にどのような期待(?)をもつのだろうか*2
うーん、やっぱり、自分の中では、『シガテラ』の判断を保留しておくか。でも、たとえば、キャラクターの見せ方や、主人公の内面の表現は、面白いと思う。だから、ついつい期待*3してしまうのだが…。どうなるんでしょう。

*1:この言い方も適当ではない気がするが…。

*2:そもそも、一回も古谷実を読んだことの無い人が、この作品に惹かれるのだろうか。

*3:期待って言っても、別にダークになって欲しいというわけではなくて、幸せな展開でも不幸せな展開でも、面白ければ良し、という程度の意味。