ひきこもり

アレクサンダル・ヘモン『ノーホエア・マン』(岩本正恵訳 白水社*1を読んでいる。タイトルはビートルズの曲から。Nowhereはアルクのサイトにある英辞郎によると、形容詞で「無駄な、無意味な」という意味。熟語では"nowhere kid"というのがあって、「ひきこもり、学業にも仕事にも就かない若者」という訳語になっている*2
以前に大学の授業で、ヘモンの"The Question of Bruno"という短編集*3の一作品を読んだことがあって、名前は覚えていた。
読み始めたときは訳語が変な感じがして、「あれ?訳者が下手のなのかな。」と思ったんだけど(素人がおこがましくも・・・)、語り手(もしくは作家自身)が微妙な出自であることがだんだんとわかってくるので、その「変な感じ」がある種の異化効果があって面白い。