またまた

広告批評は特集の「コトバ」に惹かれて。今、保坂和志の『言葉の外へ』を読んでいる最中なので。谷川俊太郎×枡野浩一高橋源一郎×阿部和重の対談が面白い。野生時代は初めて買った。目当ては、『ニシノユキヒコの恋と冒険』に関しての川上弘美×柴田元幸の対談。往復インタヴューで、次号は『甘美なる来世へ』についてだそうだ。早く読まなきゃな。『嵐が丘』は新潮文庫版の鴻巣友季子による新約。
で、広告批評の高橋×阿部では小説の構成の方法として、レゴブロックの比喩が出てくるんだけど、保坂氏も『言葉の外へ』でレゴブロックによる比喩を使っている*1。まあ、阿部氏にしろ高橋氏にしろ保坂氏と面識があるのだから、何かしらの語彙の影響はあるかもしれない(実際にこの対談でも何度か『カンバセイション・ピース』が言及されている)。
うだうだ書いたけど言いたいのは、自分にとって、これが読書の喜びなのかもしれないということ。自分が読んでいる文章と、別の文章が響きあうというか、自分のなかでかすかに関わりあう瞬間の、なんともいえぬ高揚感。ぞくぞくする感じ。これはなかなかやめられない。

*1:ここで保坂氏が使う比喩は、全体を要素に分解してまた元に組み立てれば全体になる、という意味であり、阿部氏の使う比喩とは多少異なる。保坂氏自身はこういうレゴブロック的な思考過程に対して否定的で、部分の中にも全体を指向する何かがあるのでは?と考えている。